床の間訪問

 

四季折々の草花や食べ物が床の間を飾り、部屋全体に季節感を与えてくれています。写真は京都の町家のお正月、鏡餅の飾られた床の間の前で、おせち料理を囲むのは、日本人としては心地よい一時です。

 

練馬区の旧内田家住宅

練馬区石神井公園内にある旧内田家住宅

 練馬区指定文化財 旧内田家住宅を訪問しました。江戸時代、農村の多かった練馬区には藁葺き屋根の農家が点在していたそうで、この旧内田家の建物が明治20年代初めに同区の中村に建てられ、それを2007年に石神井公園のふるさと文化館の野外展示施設として移築されたものです。明治、大正、昭和の120年間に生活スタイルは変化し、その都度、改築等もあったようですが、床の間の位置は変わっていません。

 写真の床の間のある部屋は家の中では上座敷になり、写真右には、いろりのある板の間が見えています。一般的な本床形式パターンに忠実で、丸い床柱の下部前面を、床框(とこがまち)の面にそろえて平らに削ったときにできる三角状の面の筍面(たけのこづら)が施されています。左には書院障子があり、風情のある光が部屋に差し込んでいます。

2019年3月3日記